ボッシュのパーツメーカーとしての始まり

ボッシュは、海外のパーツメーカの中では、もっとも日本人になじみのあるメーカーと言えるでしょう。ボッシュはドイツのシュツットガルトで創設され、最初は精密機械と電気技術作業場としてスタートしました。ガソリンエンジン用低圧マグネトー点火装置は、その後のボッシュの発展の礎となり、ボッシュのロゴマークのもなっています。世界的なモータリゼーションの波に乗り、1902年に高圧マグネトー点火装置を発明し、1909年には高圧マグネトー点火装置の工場をアメリカに作るまでに発展していきました。その後のボッシュの事業は車の電気系統に関するあらゆる分野に広がり、スパークプラグ付き高圧マグネトー点火装置、ヘッドライト、オルタネーター、ガバナースイッチなど、様々な部品を作成しました。有名なアンカーマークの原型は、1913年頃に描かれ始めました。

ボッシュの発明

ボッシュの功績は動力系パーツの発明でも大きく、特にディーゼルインジェクションポンプは、輸送車両にディーゼルを採用するためには、必要不可欠な発明だったと言えます。ボッシュは家庭製品にも事業展開し、ヨーロッパで初の冷蔵庫はボッシュ製でした。現在、電子制御式燃料噴射装置やジェトロニックはごく普通に採用されていますが、これらもボッシュの発明です。それ以外にも、アンチロックブレーキングシステム(ABS)はボッシュが初でした。このような先進性を持ち、広範囲に事業展開をしてきたボッシュと日本の関係は、1911年から始まり、1912年にボッシュの修理工場が横浜に作られました。2005年にはボッシュ(株)と(株)ボッシュ オートモーティブ システムが合併し、(株)ボッシュとなり、アジアの戦略的拠点に位置づけられています。

株式会社ボッシュとドイツボッシュの関係

最近では日本のボッシュに、横滑り防止装置(ABS)の開発拠点を集約するという報道がありましたが、業界のトレンドとして車両姿勢安定装置(ESC)が主流になる傾向にあり、この辺の動向は、ドイツのボッシュ本社と日本のボッシュとの微妙な関係が原因しています。(株)ボッシュは、過半数の株をドイツのボッシュが保有していますが、完全な子会社というわけではなく、業務提携した各企業の集合体としての性格を持っており、ある程度本国のボッシュと距離を置いた会社と言うことができます。その意味では、日本の取引関係にある企業との関係も微妙なところがあり、今後のボッシュの業績を占う上で、部品メーカーとしての戦略が気になるところです。

Copyright © 2007 ボッシュが日本人になじまれた理由

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